皆さんこんにちは!
11月29日(水)の講義内容は「ライブビジネス概論2 〜洋楽興行〜」でした!
エイベックスのライブ制作事業について2週に渡る連続講義の最後の講義でした!
講師プロフィール
エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ(株)
AEGXグループ ゼネラルマネージャー
遍々古 史希
今回も講義内容の一部をお届けします!
【AEGXとは】
音楽・スポーツにおける世界最大級のプロモーター・不動産である「AEG」と日本を代表する総合エンタテインメント会社である「Avex」が連携し、日本から世界・世界から日本で活躍したいアーティストへ創造性と機会を提供していくための共同事業です。
AEGXの「VISION」は、AEGXが架け橋となり、クリエイターやアーティストが日本から世界に羽ばたける環境を作ること。
AEGXの「MISSION」は、アーティストに寄り添い、羽ばたける機会を提供し、アジアを代表する唯一無二のライブ制作会社に成長すること。
【主な業務内容と今後の事業展開】
主な業務内容は、海外アーティストの招聘、ライブ・イベントの企画制作・運営、プロモートなどを手掛けています。最近では、有名な洋楽アーティストのドーム公演も手掛けており、その裏側も講義でお話ししてくださりました!
今後の事業展開としては、世界に通用する未来のアーティスト育成の4つの柱を掲げています。
1つ目は、邦楽・韓・華流アーティストの国内興行権獲得。
洋楽興行だけではなく、世界に活躍の場を見出していきたいアーティストに寄り添って事業を展開していく制作会社へと成長するために、邦楽興行を獲得する。
2つ目は、より積極的な洋楽招聘興行の実施
日本で有名なアーティストも、まだ注目されていないアーティストも積極的に洋楽招聘興行を行う。
3つ目は、ブランド価値の高いフェスの開発、良質なフェスへの出演枠
フェスは収益率も高く、日本での洋楽フェスの話題性も高いためAEGXで新たなフェスを立ち上げていく。
4つ目は、AEGの世界的なネットワークを使ったアジア・ワールドツアー展開
AEGは、北米だけではなくヨーロッパ・アジア・南米など幅広くコネクションを持っているためAEGのインフラを活用し、日本・アジアのアーティストのワールドツアーを展開していく。
【国内におけるライブ市場と洋楽興行の現状】
デジタルストリーミングプラットフォーム(サブスクリプションサービス)の台頭にもかかわらず、ライブミュージックは依然として業界の利益を支えており、アーティストにとっては、ストリーミングよりもライブの収入が大きな収益源になっています。
デジタルが主流となった業界においても、ツアーは物理的な活動が99%以上を占める唯一の部分ですが、国内のライブ・エンタテインメント市場は成長を遂げています。また、洋楽アーティストの来日公演も増加傾向にあり、今後も国内外問わず、ライブ事業はエンタテインメント業界の中心的な事業に成長していきます。
【洋楽制作とは】
邦楽は制作業務とプロモーター業務の二つが主軸になりますが、洋楽は制作業務に重きを置いています。そのため、0からライブ自体を作り上げていく邦楽制作とは違い、洋楽はプロモーター業務がメインになります。
プロモーター業務で重要なスキルは主に4つあり、「目利き」「賭け」「マーケティング」「遂行能力」です。理由は、世界で人気があるからといって必ずしも日本で人気になるとは限らず、そのアーティストの本質を見抜いて各国に合わせたマーケティングを展開していく必要があるからです。
【ツアー業界の主軸となる職種について】
洋楽興行の場合は、海外のアーティストを日本に招聘しツアーを行うため、自国でツアーを開催する場合とは異なる役職や業務があります。ツアーを開催するにあたって重要な役職は4つに分けることができます。
1.「アーティスト/マネージャー」
これは、ライブビジネスの重要な要素であり、アーティストマネージャーはアーティストのチームを構築し、ツアーを含む音楽業界全体で協力します。
2.「ブッキングエージェント」
これは、アーティストをライブ業界全体で代表し、ツアーをブッキングして地元のタレントバイヤーに販売する重要な役割です。
3.「プロモーター」
これは、ツアーに資金提供し、ライブ自体を購入する。コンサートプロモーションの役割は近年ますます複雑化しており、プロモーターはさまざまな形状やで存在します。
4.「ローカルプロモーター」
これは、地元の会場やパフォーマンススペースと関連付けられたプロモーターで、エージェントやツアープロモーターからライブを購入してチケット販売を行うなど実務作業が主となっています。
【具体的なツアーサイクル】
1.才能の発掘:エージェントとツアープロモーターはアーティストを見つけて契約を行う。エージェントやプロモーターから直接アーティストに海外でのツアー開催を提案する場合もある。
2.ツアーストラテジーとショーの制作:ショーを制作し、ツアー戦略とルーティングを決める。大規模なワールドツアーの場合、飛行機での移動がタイムロスになるため、様々な要因を考慮してツアールートを決定する。
3.ツアーのブッキング:初期のルートが決定したら、エージェントはツアーをブッキングし、地元のプロモーターやフェスティバルにツアーを売り込む。
4.チケットの販売:ツアープロモーターやマネージャー、アーティストのレコードレーベルまで、各所全面協力のもとツアーを直伝し、チケットの販売を行う。
5.準備:チケットが販売され、公演日が近づいていても、細部の確認を行う。海外のアーティストは日本とは異なる文化や思考を持っており、価値観が異なるため何事にも入念なチェックが必要となる。また、複雑なやりとりが必要で、飛行機のチケットや車のレンタル、バックライン機器の発送なども含まれる。
6.当日:ライブに向けての最終確認やリハーサルなどを行い、最終的に何万キロもの移動、何千時間もの労力の末、アーティストのライブが開催される。
【洋楽興行が決定するまでの流れ(プロモーター目線)】
1.会場候補地の選定
アーティストサイドと会場規模のギャップが生まれるケースが多く、来日するアーティストの希望に沿うようなキャパシティでライブを開催できないことの方が多い。
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2.会場スケジュール
ライブを開催する1年半前から準備を開始しないと、キャパシティが大きかったり人気エリアの会場は日程がすぐ埋まってしままう可能性が高い。
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3.Routing
海外ツアーのルート選定を行う。この作業では国と国との移動を考慮して、アーティストや関係者の移動だけではなく、機材の搬入なども考慮してルーティングを行う。
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4.予算書
オファー額を選定する上で、売上の計算や経費の計算などを行う。売上の計算に関しては、チケット代や券種の設定、協賛金などが含まれている。経費の計算に関しては、ステージ制作費や移動費、ケータリングなどが含まれている。
最後に、前回に引き続きライブ制作の講義は運営側の視点でライブを捉えることができるとても良い機会だなと感じました!
この講義を聞いて、洋楽興行には国内ツアーとは異なる、特殊な業務があることにとても驚きました。実際に有名な洋楽アーティストのステージ設計や楽屋の設備等の資料も見せていただき、細部まで丁寧に確認されている様子が伝わり、改めて国境を跨いでのツアー開催の大変さを学ぶことができました。最近では、コロナウイルスの感染拡大も落ち着いたことで洋楽興行はますます成長していく事業ですので、今後の市場動向に注目しつつ、洋楽アーティストのライブに行く際はこの講義で得た知識を活かして様々な視点からライブを楽しみたいなと思いました!
今回の講義レポートは以上になります。
次回の講義レポートは「イベント制作」になりますので、そちらもぜひお楽しみに!
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